《私の本棚 第329》   令和5年9月30日 号

          「 永日小品」  夏目漱石 作
  1909年1月から3月にかけての作品群。東京朝日新聞と大阪朝日新聞の依頼で発表された作品全体に付された題名です。 「元日」 「蛇」 「泥棒 上」 「泥棒 下」 「柿」 「火鉢」 「下宿」 「過去の臭ひ」 「猫の墓」 「暖かい夢」 「印象」 「人間」 「山鳥 上」 「山鳥 下」 「モナリサ」 「火事」 「霧」 「懸物」 「紀元節」 「儲口」 「行列」 「昔」 「声」 「金」 「心」 「変化」 「クレイグ先生 上」 「クレイグ先生 下」 が収められています。求められるままに断らずに応じて小品を発表したものでしょう。それぞれの作品は難解ではありませんが、漱石の日本での日常やイギリス留学時の倫敦での過ごし方を表現しています。どのような人達とどんな関わりをしていたかがよくわかります。大学教授の席を捨てて社会評価が低かった作家の道を歩んでいた漱石は、質素な生活も淡々と受け容れながらお金を貸して欲しいと言われれば貸していました。自分の寿命を感じていなかったと言えば嘘になるでしょう。全体を通して強い忍耐力をもって懸命に生きていた事を感じます。
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  (1)吾輩は猫である(1905.01~1906.08)    (2)倫敦塔(1905.01.)   (3)カーライル博物館(1905. )

   (4)幻影の盾
(1905.04.)  (5)琴のそら音(1905.07.)  (6)一夜(1905.09.)   (7)薤露行 (1905.09.) 

   (8)趣味の遺伝 (1906.01.)  (9)坊っちゃん(1906.04.)  (10)草枕(1906.09.)  (11)二百十日(1906.10.) 

  (12)野分 (1907.01.)  (13)文学論 (1907.05.)   (14)虞美人草 (1907.06~10)  (15)坑夫 (1908.01~04) 

  (16)三四郎  (1908.09~12)    (17)文鳥 (1908.06.)  (18)夢十夜(1908.07~08)   (19)永日小品(1909.01~03) 

  (20)それから (1909.06~10)   (21)満韓ところどころ (1909.10~12)   (22)思い出すことなど (1910~1911) 

  (23)門(1910.03~06)   (24)彼岸過迄 (1912.01~04)   (25)行人 (1912.12~1913.11)  (26)私の個人主義 (.1914.) 

  (27)こころ(1914.04~08)    (28)硝子戸の中 (1915.01~02)  (29)道草(1915.06~09)  
 (30)明暗 (1916.05~12)