《私の本棚 第192》   平成25年2月号

    「ギリシャ神話」  山室 静 訳著

 神話も童話も目についたものを適当に読んできた。その流れでギリシャ神話も購入して棚に積んであったのをやっと読み終えた。神話なのだから当然ですが、馴染みのないオリンポスの神々が主人公ですから、読み始めの頃は1〜2頁がやっとということもままありました。神話というのは世界共通な考えがあることに気づきます。天地創造の時この地上は形がなく真っ暗でドロドロの世界というとらえ方です。付録の北欧神話も古事記もそうですし、インド神話でもそうした記述がありました。この世の始まりはどのようなものであったかと思い巡らせるとき、共通してそういう世界観を持つようです。何も無い状態であったと捉えた所が凄いと思います。現代人はもっと知識が充実したように思いはしますが、では 「ビッグバン」 を理解出来るかと問われれば私は否です。そうして何も無い所から、自分たちが生きている事を考えれば、そこには絶対的な創造主 「神」 の存在が必要になります。ギリシャは絶対的な神ではなく多神論で日本の場合とそっくりです。
 トロイの木馬も出てきますが、後世ドイツ人のシュリーマンは1873年に遺跡を発見し、実際にあった話だと証明しました。また、ペルセウスの冒険は映画化されていて見た記憶があります。話がこの辺りになってくると急に親近感が湧いて読みやすくなります。ヘラクレスの段ではかなり良く知られた人物なので、映画を思い出したりローマ人の物語を思い出したりしながら楽しく読めました。紀元180年に即位したローマ皇帝コモドゥスはヘラクレスおたくで、扮装した像が残っているくらいです。
白兎神社、あんな本こんな本








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