戸惑い続きの九州車旅

        
2025/04/11(金)~2025/04/21(月) 

 車で走った事がないのは北海道と九州だけ。北海道は未踏の地、九州は何度か行ったことはあるけれど車を運転しての旅は初めて。九州の何処へ行こうかと計画 (思案?)、しかし何故かしらスムーズに進まない。10万分の1の道路地図を見ていても、大村湾・有明海・島原湾・八代海の辺りはどんな順序で走れば良いのか判らなくなってくる。・・・・これは帰宅後55万分の1の地図を見ていてそうか!と反省・・・・ 移動したルートを赤色の蛍光ペンでなぞっていて今後の思案方法を考え直した。
 まあ今回はそれだけでは無く何かしら心のモヤモヤが消えない。
①九州は北部と南部に分けて行こう ②ガイドブックを参考に訪問地をピックアップ ③山陰道R9で門司へ行くか山陽道R2で行くか ④どうせ閑なんだからそれなりの計画を作ろうと頑張った。しかし道路地図を見ながら計画を立てるから毎日の走行距離は大雑把に判断。1日は200㎞以内 (ビワイチ) ほどを念頭にしていた。出来上がった計画は12日目には帰宅。自宅から福岡県・道の駅宗像まで700㎞は無いので一般道で一気に行く事ができる。走行軌跡はONで完了。
 しかし心は 「さあ!行こう」 とは為らなかった。何も明日でなくとも良いのでは?、行きたいという気持ちが強くも無いし、さあ?さあ?どうしたものか。自分の心中なのに何故こうなのか判らない。
4月10日夕方に山陽道を利用して目的地宗像を入力。それでも未だ迷っていた。R2は道も混むし事故も多いかも知れない。一方でR9は比較的混雑しないから多少距離が長くなっても運転は気楽で時間的にも大差無いような気がする。だけど・・・まあ明朝エンジンを掛けたときの気分で山陰道に変更もOKとしよう。

4月11日(金) 5:00起床 5:30出発
 
ルートは変更せず山陽道のままでした。ですから2時間余りすればデカンショ街道を走って昨年と同じコンビニで朝食を摂ると何気なく思っていました。しかしナビの指示する方向が丹波篠山辺りの町中を右へ左へ何となく変です。見た事の無い風景が広がってきます。ナビの表示は単位400㍍に設定してありますから数十㎞先は瞬時には判りません。あれ~っ?と思いながらも走っていると道路標識に 「養父(やぶ)」 と書かれているのが見えました。何これ?9号線に向かっているやないか!。
でもこれは、「2号線を走ると事故に遭う危険があるからこっちへ来い」 という天の思し召しだろうと心を切替。

・・・・・・ 今年1月に妻の長兄が心臓発作で逝去。長兄は生まれて間も無く何人かの手を経て身一つで妻の両親に引き取られました。お棺に横たわるその顔を見た時、それは長兄の顔では無く養父(ようふ)の顔でした。私は思わず二歳年上の長兄の左胸に手を添えて、幸せな人生やったねぇ と心の中でつぶやきました。養父 (私の義父) は47年前の6月に亡くなっています。長兄が自宅で奥さんの気付かない時間帯に倒れて逝ったのを、養父が迎えに来たのだと思いました。義父も同じ様な亡くなり方でした。義父は妻が子供の頃 「人は裸で生まれて一人で死ぬ」 という言葉を口にしていたそうです。横たわる長兄の顔が養父そっくりだと感じたのは私だけでは無く、妻と長兄の奥さんやその親族達 全員がそうでした。こんな事もあるんだなあというのがその時の思い。 ・・・・・・

そんな記憶が濃いものですから、尚のこと妻の故郷がある山陰へ誘導されているように感じたのです。故郷とは言っても親兄弟 (両親と独身二男・独身三男) は皆既に亡くなっており、毎年墓参する墓しかありません。そんな事も重なって往路は9号線は避けたいとも思っていました。ですから何度も、昨日のナビ入力は確かに山陽道を選択したと繰り返し記憶を辿っていました。目的地を 「道の駅むなかた」 とし、一般道優先で検索すると画面左に単位125㎞で地図が表示されます。間違いなく山陽道でした。不思議な思いでハンドルを握っていました。結果、朝食は湯村温泉のローソンで9:50握り飯2個と牛乳を購入。この日 の食事代は合計1,834円だったことがレシートから判ります。
あんな本こんな本、車旅、戸惑い続く九州車旅、野島の夕景、木与駅近く 

道の駅阿武町の北東5㎞付近にて野島を望む
JR木与駅近く)

18:13

あんな本こんな本、車旅、戸惑い続く九州車旅、道の駅阿武町、夕景 

道の駅阿武町から

18:30


 22:58 道の駅むなかた着   走行666.8㎞  

 
寝るためにカーテンを取り付けている時、前方の窓用銀マットを持ってきていないことに気付いた。しまった!あれを忘れるなんて。以前マークに乗っていたときは全窓用を自作し大変良かった。当時はそのような事を工夫している車は見かけなかった。キャンピングカー以外は皆外から丸見え。構わないんですが矢張り落ち着きません。それ以上に、銀マットが無いと車内の明かりが外へ漏れてしまって手許の何かを読みづらくなります。今のノアは前方の5枚以外は専用カーテンがある。でも折角作ったマットを忘れて来たんでは何の意味も無い。こんなところにも心のモヤモヤが表れていたんですね。


4月12日(土)
 ?: 起床  7:49出発

 昨夜自転車で2度、車でも何度か来た事のある門司へ抜けて道の駅に到着。「宗像」 という地名は高一頃から記憶があります。同級生に其処からわざわざ親戚宅での生活を頼って来た男子がいました。不思議に思って 「なんで?」 と尋ねたのを覚えています。格別に友達付き合いをしていたわけでは無いのに顔は明瞭に浮かんできます。でもどうしても彼の名前が浮かんで来ない。当時の名簿は数年前の終活まがい作業で残っていません。そう言えば九州の旅は高二の修学旅行が最初でした。しかしそれは記憶らしいものはほぼ残っていません。18~19歳頃訳ありで長崎へ行ったのが二度目。その後職場の先輩とJRで熊本城へ。途中で車窓から見える干潮の有明海を教えてもらったり、熊本城石垣に少し登って写真を撮って貰った事、どこかで長崎ちゃんぽんを食べた事を記憶しています。新婚旅行は長崎や別府へ行った。後年夫婦でツアー参加が最後です。
7:49出発 さあ!今日は宗像大社にお参りをしてから海の中道を利用して志賀島へ。その後福岡城跡から太宰府天満宮。更にお風呂を利用した後仮泊地へという予定です。
 走っていると私の左をバイクがすり抜けて行きます。それ自体は構わないのですが蛇行をしています。積んでいる荷物が重いのかな?と想像していました。左の歩道段差へ寄るかと思えば次には右への繰り返しです。それなりのお爺さんでしたから、そんな走り方では自分の命や他人の命に関わるような事故を起こすよと思いながら注視していました。暫く見ていると後ろのタイヤ空気が極端に減っています。自分では気付かないのでしょう。怖いので少し広くなった所で追い抜きました。

 
あんな本こんな本、車旅、戸惑い続く九州車旅、宗像大社 


宗像大社

早朝という事も重なり静かな神社でした

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志賀島の金印公園から博多遠望(左木立下)

金印は一辺2.3㎝の四角形。あんな小さい物がよく見つかったと思います。
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福岡城跡・水の手

左下方の運動場がかつての貯水場


にぎやかな街中へは行きたいと思いませんでした


中国の修学旅行生と思しき生徒達が見学に来ていました。

あんな本こんな本、車旅、戸惑い続く九州車旅、太宰府天満宮、太鼓橋 



太宰府天満宮

太鼓橋

外国人観光客の多さに驚きました。

 仮泊地へ向かいます。入浴は 「伊都の湯どころ」 を利用しましたが、本当はもっと安いお風呂で良いのです。近くに無かったものですから少し贅沢を。しかもメモ代わりの領収書は無い。(何処も皆同じです)
今日の仮泊地は糸島の今津運動公園の有料駐車場を予定していましたが、「公園利用者以外の利用はお断り」 の看板。色々と訳ありなのでしょう。仕方無く近くのコンビニで夕食と明日の朝食を購入してどうするか思案。近くに元寇防塁の海水浴場があります。コンビニで尋ねれば良かったのですが、なぜかしらその気になりませんでした。そもそもそれが戸惑いの始まりだったようです。不運が重なるときと言うのはそんなものですね。時刻は19時半に近く心もスッキリしませんし、雨も降ってきていました。穏やかな車旅もお終いです。明日はもう帰ろうかなあという気持ちが湧いてきます。結果、次第に強くなる雨の中を長崎県松浦市にある 「道の駅 松浦 海のふるさと館」 まで走ることになってしまいました。途中の道路面は悪く地元の車は殆どが中央寄り車線を走っています。私は習慣から左車線を走るのですが路面の水たまりが多く、歩行者や道路に近い民家に気をつかいます。暫くしてから気が付いたので私も中央寄り車線を走るようにしました。暗さと雨で前方がよく見えません。福岡県・佐賀県・長崎県と自分にとってはよく分からない道順でした。この海のふるさと館は予定していたのではなく、雨の中突然に標識が目に入ったのです。もし見落としていたら道の駅生月(いきつき)大橋まで行ったと思います。

22:30頃 道の駅海のふるさと館 着 228.9㎞走行
海のふるさと館でのメモがあります。

・・・・・・どうするか迷ったあげく3日目の予定を全て白紙に。偶然目にした松浦海のふるさと館で泊。深夜到着。雨と強風の夜だった。佐賀県は道悪い。海の中道・福岡城跡・太宰府を巡った。明日の予定をどうするか混乱。結局、平戸方面を全てキャンセルとし、海のふるさと館へ。ここで13日の予定をナビ入力。夜は風も雨も強い。屋根を打つ雨音と車をゆらす風。・・・・・・

 本心は明日にでも帰宅の途につきたい。でも折角来たのだからもう少し・・・。それは私だけの思いでは無かろうし(笑)。車の屋根を打つ雨音が大きいし風も強くて車が揺れる。今日の予定は大混乱。そもそも自宅を出てからナビ誘導のルートがどう考えても変だった。9号線に出た「養父」の地名に心がかき乱される。

 


     明日 4/13(日)へ続く、     Vol.Ⅲトップ頁     Vol.Ⅱ トップ頁   Vol.Ⅰ トップ頁