青森県五所川原市 から 新潟県新潟市 まで
                
お花見気分サイクリング 

    2012年(平成24年)4月28日(土)〜5月5日(土)          63歳 (もうすぐ64歳)


第4日目  5月1日(火)  秋田県鹿角市から湯沢市へ

5:50 輪行袋を下げてホテルを出発。計画変更とはいえ憬れていた秋田内陸縦貫鉄道に乗るので楽しむことにしよう。列車は次の様な乗り換えになる。
 
  鹿角花輪6:15発---(花輪線)---7:10着 大館7:38---(奥羽本線)---7:58鷹巣8:18---
   ---(秋田内陸縦貫鉄道)---9:14阿仁合9:17---(急行もりよし1号、車名変更)---10:23角館
 朝飯は大館駅の鶏飯弁当が有名なのでそれを買うことに決めている。旅行者の強みでホームのベンチで平気な顔で食べられる。後から来て横の方に座って同じように弁当を食べていた若い女性が、何かしらおかずをホームに落としてしまった。じっと見ていた訳ではないが拾って食べたように見えた・・・・ん?・・・・。そこへ年配の男性が戻ってきて、空になった弁当を片付けている。やはり足下には何も落ちてない。どうでもいい事だけれど二人の関係も推し量れない?気の毒な関係で無ければ良いが....。
そんなことは兎も角、もっと辺鄙な所を想像していたがそんなことはなかった。朝から弁当とお茶で997円したが、まあいいよなと自己弁護。鷹巣までは昨日五能線の旅をしているのでぼんやりと見覚えがある。それにしても 「鷹巣」 なんと良い地名でしょう。一度聞いたら忘れないですよね。ここからはいよいよ秋田内陸縦貫鉄道です。もうほとんど輪行に切り替えたモヤモヤは消えていた。車内は連休の割には比較的空いていて、私の前には大きな (私が小さいのかな?) 青年が座っていた。列車が動き出すと次第に山あいに進む。2両編成の列車で各駅停車だ。車窓の案内があったり、景色の良いところでは速度を落としてサービスをしてくれる。途中から乗り込んできたグループの一人が横に座った。地元の人らしいが今日は角館へ観光に行くという。しきりに話しかけてくるので相手をしていたが、阿仁合 (あにあい) に近づく頃 「この川の水はいつもはもっと少ないんでしょうね」 と私が言うと、眠っていた前の席の青年が突然 「そうです、かなり多いです。いつもは本当に少ないんです」 と返事をしてくれた。
 
秋田内陸縦貫鉄道、車窓風景



 比立内駅を過ぎて右手風景(ほぼ停止してくれた)

 
彼は阿仁合出身で秋田大学に行っているのだが、自宅の土地区画整理事業の手伝いをするために帰ってきたらしい。一瞬なぜこの列車に乗っているのか位置関係が分からなくなったが、懸命に地図を思い描いてようやく納得できた。卒業したら都会へ出るの?と聞くと、僕は川っ子山っ子ですから阿仁合に戻りますと言っていた。そうだよね、勉強とか学歴とかは成長過程の努力の一証明だもんね。幸不幸は別だもんね。
比立内を過ぎると十二段トンネルがあって直線だという。6qくらい (だったか) の長さでほぼ中程にくると前方に出口、後方には先程通過した入り口が数十秒間見えるとアナウンスがあった。上桧木内では左横の広場から冬の夜空にろうそくを灯した紙風船を上げるので有名ですとアナウンスがあった。TVで見たことのある景色が浮かんできた。
それにしても良いね!この沿線の駅名は。何とも言えない響きがある。愛知県で地名を外国風に変更しようとする動きがあったが馬鹿だね本当に。
歴史を無視というかもの知らずと言うか。 
秋田内陸縦貫鉄道、上桧木内駅



 上桧木内 駅

 
 角館到着、暑い!。自転車に取り付けた寒暖計が36℃〜37℃を指している。組み立てていると同年配の親父さんが話しかけてくる。(どうしてもっと若い女性でないんだろうね)
手を動かしながら聞いていると、坂を上るのが好きらしい。
   「自転車を坂道まで車で運んで走ってるんです」
   「坂上りが好きなんですか?」
   「いえ、心臓が悪いんで上りません」
   「あ?上らない?」
   「坂の上まで持っていってから下るんです、サーと下るのは気持ちがいいんです」
   「そうですよね、気持ちいいですよね」
次第に話の内容が側道を走るような感じになってくる。
   「もっと良い自転車を買ってやろうと思って、50万円の自転車を注文したんです。
       軽くて良いんですが前輪が外れないん ですよ。」
   「へえー、前輪が外れない・・・?」
手を動かし続けていると、
   「あーっ、そうして外れるんですか?」
入門車も乗ったことがないのに50万円の自転車を買うんだ!この人は、と思いながら聞いていた。お店選びも大切ですよね皆さん。
 
角館、武家屋敷街









 
    ↑左   犬・飼い主・前から来る人達の目線が皆違っていて面白い光景でした
角館、武家屋敷街角館、武家屋敷街








 
角館、武家屋敷街角館、上桧木内堤の桜並木




 
                                               ↑右 桧木内川の桜並木
 さ、観光に行こう、桜はどうかな満開かな。武家屋敷街へくると満開のようでもあるしそうでないようにも見えるしという微妙な感じ。しかし桜見物でしかも秋田県なのに暑い!。人出も多くて皆さん桜を楽しんでおられる。TVや写真で見た景色の中、自転車を押し歩きながらコンパクトデジカメのシャッターを押す。檜木内川の桜堤も是非見ておきたいと来てみると、花見を楽しんでいる年配者のグループがいた。そっと撮影。 
角館、檜木内川の花見 



 檜木内川 堤防でお花見

 当初の予定では13:39着、1時間ほど見学をして六郷へ向かう予定だった。これほど時間を気にせずにぶらぶら歩いているのは初めての経験です。又またうどんでも食べようと店に入ると八戸の青年と相席になった。彼の勤める会社も津波被害を受けたらしい。
 しかし此処のうどんもまた……。
 

12:50 六郷湧水群に向けて走り出す。10分ほど走ってからどうも道が合っているのかどうか心配になって、庭でバーベキューをしていた人に聞くと、反対方向。
六郷湧水群、御台所清水六郷湧水群、御台所清水








 
 六郷↑には三角形のコースを大回りして14:23着。湧き水がきれいだ。御台所清水と書かれた水場に来た。この名前なら飲めるのかなと思いながら説明板 (上左写真) を読むと 「…飲む人が多いので検査をすると、飲めます…」 とある。うーん?何だか素直な気持ちにならないまま一口いただく。ご近所の方は断水時の心配もなく良いだろうな。そんなことを考えながら30分余り見学をしてからここを後にして、横手を通過して湯沢へ向かった。自分の思い込みとは違って結構みんな町の中です。やはり地図を見ているだけでは分からないですね。勝手に 「東北」 というイメージを脹らませて決めつけていた事を自覚しました。人が住める所にはその土地の広さに合わせてしっかりと町が広がっていました。 

 17:22 JR湯沢駅に到着。自転車で走っているときは、ホテルを駅近くにとってあることもありますが、必ずと言って良いほど先ず駅に行きます。一番変わりにくくて記念になると思っているからでしょう。駅に着いて写真を撮る準備をしていると、地元の高校生が「こんにちは」と声を掛けてくれた。気持ち良くて嬉しいですね。   (↓右 前森公園)
秋田県湯沢市、前森公園







 
 実はこの町出身の知り合いがいるんです。そんなこともあって初めて来たのに何となく懐かしいような錯覚を覚えます。ところがホテルに着いてフロントで名前を告げると
   「ご予約を戴いておりませんが?」と、美しいお嬢様が涼やかな声でおっしゃる。
   「いえ、そんなはずはありません。もう半年以上前に予約をしていますし、今年に入ってからも確認をしています」
   「カシャカシャ(PC操作音)いえ!ありませんが!。でも構いませんので禁煙でしょうか?」
構わなくはないんですよ、もし自分が間違って来ていたら向こうがキャンセルになるんだからと思いつつ、他の客の視線を気にしながらメモ書きを探す。
   「昨年の9月14日20時35分に○○さんという方に予約済みで、今年になってからも再確認をしています、
      こちらには○○さんという方はおられ(実在)ますか?」
言葉を遮るようにして
   「あっ、○○お客様、ございました!失礼しました…」。一件落着だが名札を見落とした。
比較的きっちりしたホテルのフロント係さんの消えない思い出になった事でしょう。何で美人との接点がこんな場面しかないんでしょうね。でも記憶に残るならそれも良し!?。
 今日は70qほどしか走ってないから、いくら向かい風ばかりとは言え走ったという感じがしない。どちらかというと列車旅で少しくたびれたかな。テレビを点けて天気予報を確認すると、明日の山形市までは降らないかも知れないという心許ない予報。雨は西から次第に近づいて来ている。雨の中を山形から新潟まで走るのは健康的にも景色的にも無理だし、あさっては輪行だな。不思議にさっぱりした気持ちで予定を変更した。
 ホテルのレストランで箱膳を注文すると、私の格好を見て自転車走行取材で宿泊した火野正平さんを思い出した接待係のお姉さん (私よりお姉さん、つまり・・・) がフロントとは違って、小声で 「気持ちだけ、ご飯を多めにしておきました(*^_^*)」。
お心遣い嬉しいですね。しかし残念なことに2〜3ヶ月前から胃の調子を崩していて量が食べられない。蓋を開けると満杯のご飯!頑張って食べましたが、半分もいかなかった。ありがとうございました。

しかし、今日の輪行は本当に良かった。今度はいつこの秋田内陸縦貫鉄道に乗れるか分からないけれど、叶うものならまた是非乗りたいと思う。
 
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