《私の本棚 第239》   平成28年10月号

     「ペロー童話」 ペロー父子編纂 

 昔話は例外なく口承を後世、文字に書き起こしたものです。従ってほぼ、その内容には教訓といえる教えが含まれています。

この童話も1695年版が発見されたとあります。ルイ14世の姪に献上されて、「眠れる森の美女」 「赤ずきんちゃん」 「青ひげ」 「長靴をはいた猫」 「仙女たち」 の五編が収められた記録が残されているそうです。
ペローはこの献辞のなかで、このたわいない物語を捧げる事について世間では驚きや非難があることを想像しながら、『王女様なら物語の精神を幅広く理解されるでしょう。下々の家庭内に持ち上がる事を、子供のレベルに合わせて教育するものです。王家のご先祖の傑出した方々民衆のあばらやまで足を運び庶民の生活を知ろうとなさいました。王女様がこの物語を読まれることに何ら不都合はないと思います。』
という内容を語っています。収められている五編は王家にまつわるものが三編、庶民にまつわるものが二編です。
 赤ずきんちゃんは、年頃の女の子はよくよく気を付けて身持ちを良くしなさいという寓話でしょう。子供の頃に読んだ記憶では狼は退治されてハッピーエンドだったと思います。しかし、この原作ではそのようになっていません。不注意は大きな犠牲を貴方に強いることになりますと説いています。
 長靴をはいた猫は、庶民の食うや食わずの日常が表現されています。食えれば子供を育てるが、難しくなれば子供を森に捨てます。王家の人達にそれとなく知らしめることができたでしょうし、ならば、ということで行幸があったかも知れません。 
 
萩の花、あんな本こんな本



  萩 

 花言葉としては

 「内気」「思案」「前向きな恋」
 「柔軟な精神」「柔らかな心」
 「過去の思い出」「物思い」


 などが書かれていました。


 
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