四国札所巡り 30番善楽寺から67番大興寺までの予定で出立したものの....                            68歳(もうすぐ69歳)

  30番から67番までの全地図は⇒四国全図  
【第3日目 30日・日曜日】 今日の予定地図その1四国37番岩本寺から38番金剛福寺と宿毛地図-1 
                            予定地図その2四国37番岩本寺から38番金剛福寺と宿毛地図-2  
                             コース勾配図四国37番岩本寺から38番金剛福寺と宿毛の勾配図


 今日 30日は  足摺岬を周回して 38番金剛福寺 から、 39番延光寺 を巡り投宿 約170qのコース

朝食は7時からです。一応作成して持参している時間表をご紹介します。  このExcel予定表を参考にしてください

1. 37番岩本寺(今回は大雑把で宿泊場所からのスタートになっていません。)を8時スタート。
  87qの道のりを平均速度22qで走れるとして 所要 3時間57分で38番金剛福寺到着
2. 金剛福寺で1時間45分停車、お参りと食事の後 13時42分に39番延光寺へ向けて出立
  70qの道のりを平均速度22qで走れるとして 所要 3時間11分で39番延光寺へ16時53分到着。
  そこでお参りに45分停車。そこから宿泊所の宿毛までは予定省略 (この辺りも適当でした)

これまでの長距離サイクリングや24耐をするときは、約70q毎に休憩を兼ねたチェックポイントを設定し、予定とのずれを確認していました。当時の予定アベレージは23qくらいでしたから、今回の22qは少しでたらめでしたね。修行の道をどう考えていたのでしょうか。8時かそれより少し前には出立したと思います。何しろ記録を残していません。金剛福寺到着は14時少し前です。これも本来なら焦るのですが、それより諦めが先になります。因みに先ほどのExcel予定表で毎時15qと入れるとほぼ13時48分到着です。金剛福寺から延光寺までは毎時22qで19時頃になります。

  それでは窪川の宿を出立します。
 
JR窪川付近町並み




このドラッグストアーで昨夜おやつのクリームビスケットを買いました。 余程疲れていたんでしょうね




(帰宅時の車窓から撮影した窪川駅付近の景色)

 
 順序立てて書こうと思っていますが、殆ど思い出せない。こんな経験は初めてです。とにかく景色が出てこないのです。この朝9時過ぎに、黒潮町佐賀という地のローソンで、アクエリアスとあんパンとミニスナックゴールドという物を購入したレシートが手元にあります。そういえば買ったような記憶はありますが、何処で食べたのかは分かりません。今、地図を眺めながら頑張っていると 「道の駅ビオスおおがた」 が蘇ってきました。此処でなんとか言うモーニングメニューを食べました。レシートは呉れませんでした。柴犬を連れた老夫婦も食事。外に繋いでいる犬に近づく若い女性達。可愛いと言いながら触れようとしています。柴犬の怖さを知らない彼女達には 「用心や恐怖」 の気配が無いのでしょう。時にフッと威嚇の仕草をするのですが、彼女達は気づきません。そのうちやっと飼い主の爺さんが注意をしに行きました。
あっ、そうです、モーニングにはゆで卵が付いていましたが、喉を通りそうになくリュックに入れました。この道の駅に到着する前に、急な登り坂で若い男性が追い越して行きました。凄いねーと声をかけても無視されました。まあこんな爺さんにそう言われても返事をする気になれなかったのでしょう。でもよくこれだけ思い出せました。認知機能は合格ラインでしょうか。食事と休憩でどれだけ休んでいたのか記録はありません。
 四万十市 (旧中村市) へ入りました。ここのJR駅近くのビジネスホテルには四国一周早駆け時に宿泊したあの懐かしい建物が見えます。足摺岬への道は地図のとおりに走ったかどうか定かではありません。案内標識を見ながら適当だったように思います。四万十川沿いにしばらく走り、何処かから山側へ入ったはずです。凄いですねこの記憶の空白は。足摺岬は右回りの予定ですから、左に海が見えるはずです。海側ではなく山中を突っ切る形でドライブウエーがあるようです。そこへ入ってしまうと戻るのが面倒ですから気をつけながら標識に注意をします。坂を越えると海が見えて来ました。清水港の標識もあります。標識に従って走っていて、ふと変だなと思います。何で海が右に見えるのか?地形が入り組んでいて今は右に見える場所にいるのかな?と思いながらアップダウンを走っていました。後ろから又自転車の音がします。フッと横を見ると声かけを無視したお兄さんが右をすり抜けて行きました。何で今頃?何処で何をしていたのかなあ。また暫くすると後ろから自転車の音。今度は 「こんにちわ〜」 と挨拶をして別の男性が走り抜けて行きました。良いなあ〜若い人は元気で。それにしても 「ああしんどい」。やっとの思いで岬に到着したのですが、格別な標識がなく思案。パトカーが進んだ方向へ行ってみます。細く見えた道は短くて突然に金剛福寺の前に出ました。先ほど挨拶をして追い越して行った男性が休憩をしています。私を見てまた 「こんにちは」 と笑顔。お参りの前に少し話をしました。高知県在住の男性は41歳、娘と同い年です。貴方のお歳は?と聞かれて 「69歳」 と答えると 「ええーっ!そうですか!」。 私にとっては何よりの励ましと褒め言葉でした。
宿毛までの道の勾配を聞くと 「いやあーもう全然何てことないですよ」。しかしこれは全く参考になりませんでした。
二度までも私をシカトして抜いていったお兄さんは、石のベンチに腰をかけて両肘を膝の上に置いてうなだれたまま動きません。
灯台を見て回り戻ってくるまでのおよそ40分位同じ姿勢のままでした。一寸元気を出しすぎたのかな?
     きょうは何処かで宿泊する予定を取ってあるのかな? などとお節介な心配をしました。
 
38番金剛福寺






   38番金剛福寺
38番金剛福寺




 
足摺岬展望台




 
足摺岬






見たかった灯台をやっと見る事ができました
 
 自転車を止めさせてもらった観光案内所で食堂を尋ねると、直ぐそこの店が分かりやすくて良いでしょうとのこと。何を食べたか?うーん、レシートが無い。この店の人もまた親切に道を教えてくださった。信じないわけでは無いのですがすこし進んでからまた確認。さあ宿毛へ行くぞ!と空元気。出発は15時を回っていたと思います。
 景色を楽しむ余裕はありません。17時頃でしたでしょうか、確か大月町という地名に記憶があります。先にも書きましたが、リュックのずれ、手のひらや指の痛みと痺れ、足指の強い痛み、想像以上の坂道、それに伴った時間の遅れ。あさっての行程を考えると湧いてくる不安。等など考えながら休憩していると、地元のお年寄りが 「何処までいくの?」 と心配してくださる。そりゃそうですね、日が傾きつつある時に草臥れた感じの爺さんが休憩しているんですからね。いろいろと考えました。明日は未だしもあさっての行程はキツい。あすの行程をムリにこなすとJRを利用できなくなる。
(実際はそんなことは無かったのですが、如何せん地理不案内です。地図を出して確認する精神的余裕もなし) それなら39番延光寺 は行かずに宿毛の宿で打ち切ろう。ムリをすると人様にどんな迷惑をかけるか分からない。それほどストレスがかかっていました。すぐに宿毛の宿に連絡を入れて、今日1泊の予約だが連泊は可能か確認。事情を説明してかなり遅れて21時頃になるかも知れないとお願いをした。道の駅 「ふれあいパーク大月」 へ小休止に立ち寄る。高知在住の歩きお遍路さんがベンチを宿代わりにする準備中。オートバイの男性に道を確認すると、「自分は宿毛から来たが、時速60キロで40分の距離です」。 疲れた頭で計算をします。それなら〜〜〜40qか。続けて 「ロードにも乗るんですが、今日はバイクの日なんです。明日はロードで走ろうと思っています。・・・・この先の勾配?そんなの平気平気、大した事はないですよ」 高知県の自転車乗りは平坦という道路を知らないんじゃないの?なんて感じましたね。宿毛までは約40q。普段なら何でも無く感じる道のりも遠く聞こえます。気を取り直して しゅっぱーつ。
 道の駅 「すくもサニーサイドパーク」 へ到着。ここからなら歩いても1時間ほどです。もう店じまいの最中でした。松田川大橋を渡った所のGSでホテルを訪ねます。到着は19時頃でした。併設レストランで夕食を済ませたのは20時40分。直ぐに部屋に戻って、明日以降の宿にキャンセルの旨を理由を添えてお伝えしました。

 もう自分の自転車旅はこれでお終いかな?今回の予定最後までこのロードレーサーで札所巡りをしたかったなあ・・・・・・。
ロードレーサーを購入して初めて乗った頃をおもいだすなあ。最初の頃、がむしゃらに練習をして6ヶ月経った頃、
25qを51分台で走れるようになった・・・・・。それからあちこちへ行った思い出・・・・・。
歳には勝てないという事実・・・・・。
今後はどんな事を楽しみにして歳を重ねれば良いのかな・・・・・。
そんなことを考えながら眠りにつきました。
翌日はJR宿毛駅へ行って5月2日帰途の切符の手配。駅にはロードレーサーの貸し自転車店がありました。
     ・
     ・
     ・
5月2日宿毛駅から9:05発南風12号乗車。特急一駅だけ乗車して歩き遍路をする爺さんもいます。
駅へ着くと幼子を抱っこした若いお母さんが列車を待っていました。何故かしら 「あっ、あのお母さんに”こどもの日”を読んでもらおう」 と思いました。不思議にも、空いている列車なのに通路を挟んだ席に着かれました。十数分の間、見ず知らずの方にいきなりのお願いはどうしたものかと思案していました。意を決して、「すみません、私怪しい者ではありません。これを読んで戴きたいのです。こどもの事が書いてあります。今は読まれない方がいいと思います。」 と言いつつ、二つ折りにした印刷物を渡しました。怪しく無いと自己弁護の上、今は読まない方が良いなどと言う 限りなく怪しかったと思います。それでも一応お受け取り戴きました。人生におけるご縁だと感じます。その後 高知駅で下車されるときに 穏やかで優しい会釈をしていただきましたので 妙な安心感を覚えました。
 どうぞお子様を大切に。
     ・
     ・
     ・
追伸、しかし帰宅後、自転車の精密メンテナンスをしてもらった時、近くの大正池ヒルクライムコースを勧められ、四国の 「ツールドお遍路」 と比べてみようと考えて走る気になりました。走ってみると。結構な坂道で一応舗装もされています。標高も400メートルほど。最も急勾配の箇所は未経験でした。降りるかどうか考えたとき再び乗るときの大変さを想像し、一人の若い男性を置いてきぼりにして最後まで降りずに登り切りました。再び 懲りない爺さんの チャレンジ魂が湧いてきました。もう一度来年、古希の記念に残っている札所をロードレーサーで巡れるように練習しようかな。歳を忘れて・・・・・。

   笑わないでくださいね、もしも何処かで出会っても。
 

 前の頁、第2日目 34番種間寺から37番岩本寺  2018年4月28日: 結願 39番延光寺〜67番大興寺 こども達と一緒に巡ったみち



 VolV.サイクリングの思い出目次へ    VolV.トップ頁       Vol.U トップ頁   Vol.T トップ頁