《私の本棚 第223》   平成27年8月号

     「種の起源(進化論)」  ダーウィン 著       

 1809年 イングランド生まれ。ダーウィンと言えば進化論として、知らない人は殆どいない位有名です。また南アメリカ・エクアドル領のガラパゴス諸島も一緒にうかんで来ます。これらの名前は余りにも有名で、進化論を読んでみようなどとは思いもしませんでした。しかし偶然目に付いた古本市で昭和42年発行のこの本とアインシュタインの 「相対性理論」 が各200円で売られていました。書店ではまずめったにお目にかからない品なので即購入。その日から 「積ん読」 こと30年近くが経ちました。相対性理論は読み物というより物理の教科書です。当然積んだままです!。
 進化論は1859年に脱稿後、何度か版を重ねています。期待を持って読み始めましたが如何せん既に160年近くが経ち、多くの研究者が努力を重ねて世に発表し続けています。何も知らない私でも印刷物やTVなどで多くの雑多な知識を重ねています。そんな状況で読むと 「ホオー!ヘえー!」 といった感動は得られませんでした。
 しかしいくつかの違った意味での発見がありました。一つは、責任編集者が故今西錦司氏であったこと。今一つは眼鏡人口の増加。更には第三部 「人間の性淘汰と本書の結論」 からです。
 今西氏は大分県高崎山などでニホンザルの餌付けに成功し、比叡山における猿の群れの研究もされたと記憶しています。著書が蔵書の何処かにあります。その氏はダーウィンの進化論に異論を唱えられていました。
 眼鏡人口に関しては独断と偏見を恐れずに言うなら、いずれ人間は眼鏡を掛けるのが当たり前になるのでは無いかと…。根拠はありませんが、四百年程前の江戸時代初期には眼鏡は無く、視力の低い人も少なかっであろうと思います。しかし近現代になり生活様式も変化した結果遺伝的には増加の一途にあると思います。
 人間の性淘汰に関しては、ダーウィンは猿についても研究をし、かつ人種や居住地域別の見かけ上の男女差について論じています。しかし、時代は下り21世紀になりました。性同一性障がいについても、障がいを持つ人たちの努力もありここ数十年で広く受け入れられるようになって来たように見えます。(見やすいように配置修正を行っている令和6年では、障がいとは表現しませんが、元のままにしておきます) しかし学者でも当事者でも運動者でも無い私が単純に考えるとき、種の保存という観点から今後数百年後にはどういう状況になっているのかという素朴な疑問も残ります。 
うみねこ繁殖地、蕪島、あんな本こんな本





 うみねこ繁殖地

 蕪島  
2014/05/03 12:48:04
リゾートうみねこ号車窓より

 
    前の頁、木幡狐   次の頁、日本史の謎は地形で解ける   VolV.目次へ  VolV.トップ頁 

  Vol.U トップ頁  Vol.T トップ頁