青森県五所川原市 から 新潟県新潟市 まで
|
京都7:06分発の新幹線に乗る。いつものことながら慣れない乗り物に乗るというのは何かと気疲れする。何番ホームのどこで待っていれば良いか。何号車の何番、何席かと何度も切符を確認する。傍から見れば随分遠来の旅人に見えるだろう。やっと荷物を置いて席に着けば、乗り換えの東京駅での移動が気になって落ち着かない。間近の車窓風景と同じくらいそわそわしていた。東京駅9:23分着
(はやっ!)、新青森行きはやぶさは9:36分発だ。東京駅到着の10分位前からデッキに陣取って待つ。予めJRで移動時間を確認すると、「移動時間は8分間を見込んでいます。それでも多めに見ていますので13分間あれば、列車が遅れない限り大丈夫です」
とのことだった。しかしそうは言っても、滅多に新幹線に乗ったり東京駅で乗り換えることなど無い私にとっては、自転車で走るより大変な事になります。幸いホームは近くにあったのだが乗車口が遠い。更に列車が到着してみると違う乗車口で待っていたことに気づく。 あわてて車両の端まで輪行袋を肩に掛けたままダッシュ。おおー、まだ走れた。やれやれ・・・・。 そんな私でも新青森から五所川原までは何とか落ちついて移動ができた。 |
五所川原駅はJRと津軽鉄道の駅が半ば合体している。津軽鉄道の窓口で輪行袋を一時預けにし、金木までの切符を購入。すると側の土産物店の店員さんが 「14:10分のに乗られますか?」 と声を掛けてくれたので、何となく
「はい…」。列車はテレビでお馴染みのストーブ列車。なるべくストーブに近い所へ席を取った。夏炉冬扇の感があるがそれよりも----私はあなたのそばが良い。 団体用の車両にはそれは美しいアテンダントさんが同乗して何やら説明をしている。こちらの車両といえば、土産販売のおやじさんが籠を持って回ってきた。自分は鉄ちゃんでは無いけれど(いつもそう言っているようにも思いますが)、一度乗りたいと思っていた列車に乗れて最高!。ゴトゴトと揺られながら、これがあのTVで見た列車かあ。冬ならこのストーブでスルメを焼いてもらえるんだな。しかし、もっと乗客が多いかと思っていたけど連休の割に少ないなあ。などと独りで思いを巡らしていると、前方の車両から籠を持ったおじさんが乗客に声を掛けながらやってくる。ストーブの枠に籠を載せて勧めると、先ず最初に買ったのはやはり女性でした。つられるように若い男性も買っている。私は先が長いのでパス。 車掌さんは若い男性で大変印象的でした。帽子のあごひも (あごベルトかな) をしっかりと顎に架けて、外すことはありませんでした。 津鉄の規定なのかそれとも本人の趣味なのかは判然としませんでしたが、雰囲気に良くマッチしていてとても良く似合っていました。 |
金木駅で降りると、津鉄のパンフレットを頼りに斜陽館へ向かった。前回は午前6時前だったので人通りも無く静かだったが、今回は内部の見学をさせてもらった。太宰は「ただ広いだけ」と酷評したようだが、資材も広さも確かに豪邸だ。二階の間には襖に書かれた漢詩があった。 |
斜陽館全景と内部の階段 |
兼葭緑老満陂塘 秋社村園野飯香 風峭客衣初欲冷 砧聲断續響斜陽 |
けんかみどりにおいてひとうにみち しゅうしゃのそんえんやはんかんばし かぜはかくいにきびしくはじめてひややかならんとほっす ちんせいだんぞくしてしゃようにひびく |
説明板に文字と読み方は記載されていたが読み下しが無かったので、私なりに次の様に読みました。間違っていたらどなたか教えて下さい。 |
重なり合った葦の葉は青々として枯れもせず堤に満ちあふれている 秋分の日、村の畑を眺めながら開く粗末な弁当も何かしら香しい 汗を含んだ旅衣に風が強く当たれば涼しくなるのになあと思っていると どこかで打つ砧の音が途切れとぎれに夕日の中を響いてくる |
解説には太宰は子供の頃からこの襖を見、斜陽の文字も心に刻まれていたであろうと書かれています。 一回りしてから15:39分初の五所川原行き列車に乗るべく駅に向かった。 |
左 金木駅と 右津軽中里行 走れメロス号 |
駅には観光バスから降りた団体客が列車を待っていた。どうやら 「走れメロス号」 で終点の津軽中里へ行くらしい。私が列車を待っていると、 乗ってきた同じ列車が戻って入ってきた。何故分かるかって?それはあの車掌さんですよ。動画を撮影したが、そこのところの性能はイマイチなので、次回何処かへ行くときは最新のコンパクトデジカメを購入するかな?。 |
左写真 往復とも乗ったストーブ列車 右写真 電柱を挟んで 左・津鉄五所川原 右・JR五所川原 |
五所川原駅へ戻ってくるとすぐ前のバス停に向かう。バスの時刻を確認してから立佞武多を見に行った。2009年のGWに来た時とは展示物が異なっているのは予め確認済みだ。 何度見ても大きさに圧倒される。 |
ショッピングモール「エルム」までは3〜4人の乗客で移動。乗り合わせた女性が 「それは自転車ですか」 と珍しく声を掛けて下さった。そのお話からすると、その方は五所川原の生まれで3人兄妹なのだが、皆離れて暮らしているらしい。ご自身は毎月東京から戻ってきて一人暮らしの老いた母親の世話をするという。(いつの日か、しんどかった (疲れた) けれど良かったという思い出になることを祈ります) なんでも以前は駅前が賑やかだったのが、いまはこれから向かうエルムへ人の流れが変わったらしい。何気なく聞いていたが津軽鉄道のストーブ列車は偶然に二度乗ったことになりそうだ。17:00頃ホテルチェックインのあとエルムの食堂街へ夕食を摂りに行ったが、胃の具合が万全で無かった事もあり、あまり気乗りのしないものになった。 それにしても今日は楽しかったけれど慣れない列車旅で疲れました。 明日は弘前城趾の桜見物と五能線の旅。五所川原からは7:36発の列車に乗らなければならない。このホテルに戻ってくるのは18時を回る予定です。 |
ホテルパークイン五所川原の窓から (ホテルの窓から写真を撮るのも何となく習慣です) |
前の頁、VolV.トップ頁からVolU・Vol Tへ 次の頁、五所川原から新潟 第2日目 VolV.サイクリングの思い出目次へ VolV.トップ頁 Vol.U トップ頁 Vol.T トップ頁 |